デリケートゾーンの臭いが気になるとき、 「スソワキガなのか」「感染症なのか」「婦人科へ行くべきなのか」 判断に迷う方は少なくありません。
ただし、臭いだけでは原因を区別できないことがあります。 婦人科では、臭いそのものよりも、 おりもの変化・かゆみ・痛み・出血・急な悪化 などの随伴症状も含めて確認されます。
まず確認したい「受診を優先したい症状」
次のような症状がある場合は、セルフケアだけで判断せず、 早めの受診が推奨されることがあります。
- 発熱を伴う下腹部痛・骨盤痛
骨盤内の炎症などが確認されることがあります。 - 月経以外の出血が続く
感染症・炎症・子宮頸部の異常などを含めて確認される場合があります。 - 急激なおりもの増加+強い違和感
感染症や炎症が関係することがあります。 - 強いかゆみ・ヒリつき・赤み
カンジダ膣炎や接触性皮膚炎などが確認されることがあります。 - 性交痛・性交後出血・排尿時痛
婦人科系疾患や性感染症を含めて確認される場合があります。
早めに相談を検討したい変化
緊急性は高くない場合でも、 以下のような変化が続く場合は相談先の候補になります。
| 気になる変化 | 確認されることがある例 |
|---|---|
| おりものの色が変わった(灰色・黄緑・茶色など) | 細菌バランス変化、炎症、感染症など |
| おりもの量が急に増えた | 炎症・感染症など |
| ヨーグルト状・ぽろぽろしたおりもの | カンジダ膣炎などでみられることがあります |
| 魚のような臭いが強くなった | 細菌性膣症などでみられることがあります |
| 急に臭いが変わった | 菌バランス変化・炎症・感染症など |
| 強いかゆみが続く | カンジダ・皮膚刺激・炎症など |
「臭い」より重要なこと
ネット上では、 「魚臭い=細菌性膣症」 「酸っぱい=体質」 のような説明がみられることがあります。
しかし実際には、臭いは 月経・汗・蒸れ・下着環境・皮脂・細菌バランス・性交後の変化など、 多くの要因で変化します。
そのため婦人科では、 臭い単独よりも、 おりもの・かゆみ・痛み・出血・急な変化 の有無が重視されます。
いわゆる「スソワキガ」との違い
一般的に「スソワキガ」と呼ばれる状態では、 アポクリン汗腺・皮脂・常在菌・蒸れなどが関係すると考えられています。
一方で、感染症や炎症では、 おりもの変化・かゆみ・痛みなどを伴うことがあります。
| 一般的にみられる傾向 | 体質的な臭いでみられることがある特徴 | 婦人科で確認されることがある特徴 |
|---|---|---|
| 経過 | 思春期以降から徐々に気になる | 数日〜数週間で急変することがある |
| 臭い変化 | 蒸れ・運動・緊張で強くなることがある | 急激な変化を伴うことがある |
| おりもの | 大きな変化がないことが多い | 色・量・性状の変化を伴うことがある |
| 症状 | 臭い中心 | かゆみ・痛み・ヒリつき・出血など |
| その他 | 耳垢が湿っている傾向など | 発熱・性交痛・下腹部痛などを伴うことがある |
洗いすぎで悪化することもある
臭いが気になると、 強く洗う・何度も洗浄する・香り製品を重ねるなどの対応をしてしまうことがあります。
しかし、 指や器具を使った腟内洗浄や、 洗浄機能(ビデ)の長時間・頻回使用は、 刺激・乾燥・菌バランス変化につながる場合があります。
- 強い洗浄剤で何度も洗う
- アルコール系シートを頻回使用する
- 香り製品を重ねて使う
- 指や器具を使って腟内まで洗浄する
- 洗浄機能(ビデ)を長時間・高頻度で使う
婦人科では何を確認するの?
「何をされるかわからない」という不安から、 受診を迷う方もいます。
実際には、まず症状や経過を確認し、 必要に応じておりもの検査などが行われます。
- 問診:臭い・おりもの・かゆみ・月経・経過などを確認
- 視診・内診:必要に応じて外陰部や腟内を確認
- おりもの検査:pH・顕微鏡検査・培養など
- 追加検査:必要に応じて性感染症検査など
自己判断だけでは区別が難しい理由
デリケートゾーンの臭いは、 「体質」「蒸れ」「皮脂」「細菌バランス」「炎症」「感染症」など、 複数の要因が重なって起こることがあります。
そのため、 ネット情報だけで原因を断定することは難しく、 症状が続く場合は医療機関で確認されることがあります。
よくある質問
Q.臭いだけで感染症かどうか判断できますか?
Q.おりものの変化がなくても受診した方がいいですか?
Q.婦人科では何をするのですか?
Q.婦人科と皮膚科はどちらを受診すればいいですか?
Q.婦人科でスソワキガの相談をしてもいいですか?
Q.昔から臭いがある場合は体質ですか?
参考文献・出典
学会・公的ガイドライン
- 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」
- 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療ガイドライン」
- Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines.
医療情報リソース
- Merck Manual Consumer Version. Vaginal Odor / Vaginitis.
本ページは一般的な情報提供を目的としており、医療的診断を行うものではありません。